動画撮影の現場で使うNDフィルターには大きく以下の3つのタイプがあります
- 可変(バリアブル)NDフィルター
- マグネットNDフィルター
- 固定NDフィルター
他にもカメラとレンズの間にスライドインするタイプや、あらかじめカメラに内蔵されているタイプのものもありますが、この記事では、代表的な「可変NDフィルター(バリアブル ND)」「マグネット式」「固定ND」の3タイプについて、僕が実際に使って経験を踏まえ解説します。
また、おすすめのNDフィルターもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください!
NDフィルターの役割と必要性
NDフィルター(Neutral Density Filter)とは、カメラに入る光の量を減少・コントロールするフィルターです。通常レンズの全面に取り付けますが、最近はレンズとカメラの間に入れる内蔵型なども存在します。
(今回は全面に取り付けるタイプのお話です)
これは特に明るい日中に撮影を行う際、シャッタースピードや絞りを調整することで得られる「動きのブレ」や「ボケ味」を維持するために使われます。
動画撮影では、通常シャッタースピード(シャッターアングル)はフレームレートに依存するため、基本的には途中で変更できません。ということは、レンズの絞りとISOでしか明るさの調整ができなくなるので、調整の自由度が狭くなります。
そういう時にNDフィルターを活用することで、光の量をコントロールします。
実際に動画撮影の現場では、NDフィルター1枚ないだけで、撮影が完全にストップしてしまうほど、なくてはならない重要なアイテムと言えます。
可変NDフィルター(バリアブルND)
可変NDフィルター(バリアブルND)の特徴と注意点
可変NDフィルターは、フィルターを回すだけで光量を段階的に調整できる便利なアイテムです。
主に2枚の偏光フィルターを組み合わせた構造で、片方のフィルターが回転する仕組みになっています。この回転によって光の透過量を変えられるため、撮影状況に応じた微調整が可能で、フィルターの付け替えが不要になるのが大きなメリットです。
「Xムラ」のリスク
ただし、可変NDフィルターには「Xムラ(エックスムラ)」と呼ばれる現象が発生する場合があります。これは、フィルターを暗く調整した際に起こりやすく、画面上にX字型の影が現れるため、均一な暗さを保つことが難しくなる問題です。特に、可変幅が広いフィルターほどこの現象が顕著になる傾向があります。
適切なフィルター選びのポイント
可変NDフィルターを選ぶ際には、ムラが発生しにくい製品を選ぶことが重要です。たとえば、K&F Concept 可変NDフィルター ND2-ND32は、可変幅が比較的狭いため、適切に使用すればXムラを抑えられるおすすめの製品です。
可変NDフィルターはその利便性から多くの撮影シーンで活躍しますが、製品選びと使用時の調整に注意が必要です。特性を理解して活用することで、快適で効率的な撮影を実現できるでしょう。
マグネット式NDフィルター
マグネット式NDフィルターの利便性と注意点
マグネット式NDフィルターは、撮影中の素早い着脱が可能で、フィルター交換をスムーズに行える便利なアイテムです。
可変NDフィルターと異なり、暗さが固定されたフィルターを付け替える仕組みのため、ムラが発生しないのも魅力です。
私が購入したのは、H&Yの「ビデオグラファーセット」。この製品は、レンズに専用のマグネットリング(ステップアップリングに似た構造)を装着し、その上にNDフィルターをマグネットで取り付ける仕組みになっています。磁力は適度に強く、カメラを激しく振っても簡単に外れる心配はほとんどありません。
使用時の注意点
しかし、物理的な衝撃には注意が必要です。例えば、カメラを身体やバッグに軽くぶつけただけでも、フィルターが外れてしまう場合があります。特に、私のようにドキュメンタリー撮影などで動き回る場面が多い場合、フィルターが外れていないか頻繁に確認する必要がありました。
NDフィルターは動画撮影において重要なアイテムです。そのため、紛失や破損のリスクを減らすためにも、慎重に扱うことが求められます。このような心配が気になる方にはデメリットと感じるかもしれません。
ただし、落ち着いて運用すれば、これらのリスクは十分に回避可能です。利便性と画質の良さを考慮すると、マグネット式NDフィルターは、多くの撮影スタイルでおすすめできるアイテムです。
固定NDフィルター
もう一つが「固定NDフィルター」です。
固定NDフィルターはネジ式でしっかりとカメラに取り付けることができ、落下の心配やXムラが発生しにくいため、撮影中の不安が少なく、撮影に集中することができます。
もちろん、シーンに応じてフィルターを交換する手間は増えますが、NDフィルターをしっかりと固定しておける安心感は、やはり大きなポイントです。
僕は日中(早朝から夕方)の外と室内の撮影を行いますが、ND8とND16、ND32の3枚を常時用意しています。基本的にND16をつけたままの状態にしていて、状況によって8や32に付け替えて運用しています。
おすすめのNDフィルター
というわけで、ここからは、僕が実際に使っているNDフィルターをご紹介します。
【可変NDフィルター】K&F Concept ナノコーティングNDフィルター
【マグネット式フィルター】H&Y ビデオグラファーズセット
【固定NDフィルター】MARUMI NDフィルター EXUS シリーズ
MARUMI NDフィルター EXUS シリーズは、1952年創業の日本の老舗フィルターメーカーであるマルミ光機株式会社から発売されているフラッグシップNDフィルターです。およそ70年以上、カメラ用のフィルターを作り続けてくれているメーカーです。
https://www.marumi-filter.co.jp
実際に手に取るとわかりますが、使用されている素材の高品質さがフィルターの質感や重みに表れていて、完成度の高さを感じます。リング部分のマットな質感や、ネジ切り込みの精度は他のメーカーと比べて比較にならない完成度と言えます。
フィルターとしての純度の高いガラスは、指紋などの汚れや帯電防止コーティングが施されており、NDによる変色率も低くレンズの性能を活かすことができます。
おすすめポイント1:安心フィルター運用
やはり、最大のポイントは安心して運用できる点です。ねじ込みが取れてしまう心配がなく、撮れる絵もムラや変色がなくすっきりとした映像を得ることができます。
もちろん、素早く付け替えたりすることはできませんが、付け替えは30秒ほどで完了します。
おすすめポイント2:高い耐久性と汚れ防止
EXUSシリーズには耐汚れコーティングが施されており、汚れや水滴がつきにくい構造になっています。撮影環境が過酷な場合でも、フィルター表面のメンテナンスが簡単で、クリアな映像を保つことができます。
おすすめポイント3:バリエーションの豊富さ
MARUMI NDフィルター EXUS シリーズは、ND4〜ND1000まで7枚のラインナップが用意されています。
- ND4
- ND8
- ND16
- ND32
- ND64
- ND500
- ND1000
この中で必要なNDをいくつか選んで運用することができます。
また、フィルター全面にもネジが切ってあるので、別のフィルターを重ねることも可能です。
まとめ
以上、僕の経験を踏まえたNDフィルター選びのポイントをご紹介しました。
今回は可変NDやマグネット式、そして固定NDフィルターのメリットとデメリットについて詳しく解説しましたが、NDフィルターの選び方はシーンやスタイルによって異なります。
多くのメーカーがさまざまな機能を持つNDフィルターを提供しているので、「可変だから必ずXムラが出る」「マグネット式は落下しやすい」といった一概な決めつけはできません。
個人的には、即時性が特に求められない撮影環境であれば、安定した品質が得られる固定NDフィルターがおすすめです。逆に、スピードや細かな調整が必要な場合は、可変NDやマグネットが便利です。
この記事が、皆さんのNDフィルター選びの参考になれば幸いです。
ぜひ、実際にいろいろ試して自分に合ったNDフィルターを見つけてください。

コメント
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